【犬の療法食を成功させる完全ガイド】食べない・合わない・正しい切り替え方まで
動物病院で療法食を勧められた際に、どれだけの犬が素直に食べ始めてくれるでしょうか?

獣医師に療法食を勧められたけれど、全然食べてくれない…

何度チャレンジしても匂いを嗅いでそっぽを向く

このまま食べてくれなかったらどうしよう…
療法食は、通常のペットフードとは違い「病気の治療や管理をサポートするための特別なフード」です。
その一方で、いつものごはんと比べて匂い・味・粒の大きさや硬さが違うため、急に警戒して食べなくなる犬も少なくありません。
必要な療法食を食べてくれない状況が続くと、「治療がうまくいかないのでは…」と不安になりますよね。
ですが安心してください。実は療法食を食べない理由は大きく3つだけ。
- 療法食の味・香り・食感が合わない
- 病気で食欲が低下している
- 療法食へと切り替えるスピードが早すぎる
この3つのどこに当てはまりそうかを見極め、それぞれに合った対処をしていくことで、多くの犬は少しずつ療法食を受け入れてくれるようになります。
この記事では、愛犬が療法食を食べてくれないときに試してほしい具体的な対処法に加えて、それでも難しい場合に検討したい別メーカーの療法食の選び方、日々のごはんに取り入れやすいトッピング案までわかりやすく解説します。
最後まで読むことで、「なぜ食べないのか」「次に何をすればいいのか」がはっきりし、あなたの愛犬が療法食を無理なく続けられるためのヒントが見つかるはずです。
療法食とは?その役割と効果をわかりやすく解説

動物病院で獣医さんから勧められた療法食とは、そもそもどんなものなのでしょうか?
私たち人間でも、糖尿病や腎臓病では食事制限が治療の一部になりますよね。
入院した経験のある方は、病院で出される病院食をイメージしていただくと、病院食の役割をより理解しやすいと思います。

療法食は“病気に合わせた栄養設計”がされている
犬の病気は種類によって、必要となる栄養バランスが大きく変わります。
市販のペットフードではカバーしきれない栄養素まで十分に含めているのが療法食です。
- 腎臓病:タンパク質・リンを制限し腎臓の負担を軽減
- 尿路結石(ストルバイト/シュウ酸): 尿pHのコントロール・ミネラル調整
- 膵炎:圧倒的に低脂肪で消化しやすい配合
- アレルギー:加水分解タンパク・特定タンパク除去
- 胃腸トラブル:消化に優しい成分と水分量の調整
このように、病気ごとに必要な栄養管理が全く違うため、療法食はその病気を理解したうえで特別に作られています。
“処方食”ではなく獣医師の指示で使うべき“治療の一部”
療法食は、「治療の一環として用いるフード」です。

獣医師の診察と指導のもとで活用するスペシャルフードだね!
つまり療法食は、
- 病気を治す
- 再発を防ぐ
- 症状を和らげる
といった目的のために、獣医師の指示に沿って活用する「治療の一部」という位置付けになります。
自己判断で選んだり、診断のないまま与え続けてしまうと、かえって病状を悪化させてしまうリスクもあるため注意が必要です。
療法食を使うことで得られる効果は豊富にある
療法食を正しく使うことで、次のような効果が期待できます。
- 症状の改善
- 臓器への負担軽減
- 再発防止
- 食欲・排便など生活の質(QOL)の向上
- 治療効果のサポート
とくに腎臓病や尿路結石、膵炎などは食事管理こそが治療の中心 となるケースが多く、療法食の役割は非常に大きいとされています。
だからこそ、病気を治さないといけないのに犬が療法食を食べてくれない、という問題は深刻な悩みになってしまうのです。
犬が療法食を食べない理由は3つだけ


なかなかうちの子が療法食を食べてくれない…
今まではドッグフードをモリモリ食べていたのに、療法食に変えた途端に全然口をつけなくなった…
そんな経験をされている飼い主さんは本当にたくさんいます。
実は、そうした「療法食を食べない」という状況には、次の3つのどれかが関わっていることがほとんどです。
- 療法食の味・香り・食感が合わない
- 病気で食欲が低下している
- 療法食へと切り替えるスピードが早すぎる
それぞれ、もう少し詳しく見ていきましょう。
療法食の味・香り・食感が合わない
療法食は病気の治療や管理を目的として作られているため、一般的なドッグフードに比べて香りが弱い・味が薄い・粒の大きさや硬さがいつもと違うといったことがよくあります。
犬は人間以上に匂いで食べ物を判断するため、“いつもの匂いじゃない=警戒する” という行動につながりがちです。
- ある日突然、医師から「今日から薄味の病院食だけにしてください」と言われたようなもの。
- 見た目も香りも違うため、最初の一口に抵抗を感じるのは自然なことです。
病気で食欲が低下している
療法食を食べない理由の中でも、意外と多いのが「体調そのものの問題」です。
腎臓病・膵炎・胃腸炎・結石・心臓病など、多くの病気はそもそも食欲低下を招きます。
つまり、「療法食がまずいから食べない」のではなく、「体がしんどくて食欲が湧かない」という状態かもしれません。
- 風邪で熱がある時、どんなに好きなご飯でも箸が進まない状態に近いです。
- 「味が嫌い」ではなく、「食べたいけど、そもそも食べる体力がない」というイメージです。
療法食へと切り替えるスピードが早すぎる
犬は急激な変化に敏感で、特に食べ物の変更はゆっくり慣らしていくプロセスが重要です。

お迎えした後に食べて欲しいドッグフードにする時も段階を踏んで変えたよね。
いきなり全てを療法食にすると、「いつもの味じゃない!これ何?」と驚いて警戒し、その結果として食べなくなる犬がほとんどです。
- 毎日食べ慣れている食事が、ある日突然100%別物に置き換わるイメージ。
- ごはんと味噌汁を食べていたのに、翌日から急に“パンとチーズだけの食事”に変わるような感覚です。
食事を変えるならちょっとずつ慣らしてほしい、と感じるのは自然ですよね。
ペットが療法食を食べてくれないときの対処法8選

食べてくれない原因がわかったところで、ここからはすぐに実践できる対処法8選を紹介していきます。
実際に成功率の高い対処法を優先度の高い順にまとめたので、上から順に一つずつ試していくだけで、療法食を食べてくれる可能性はぐっと高まります。
- ぬるま湯でふやかして香りを立たせる
- 少し温めて風味アップ(電子レンジ5〜10秒)
- ウェットタイプや粒の大きさ違いを併用する
- 少量のトッピングを使う
- 食器・食事環境を見直す
- 新しいフード袋を開ける・鮮度管理を徹底する
- ゆっくり切り替える(平均7日ほどかけて慣らす)
- どうしても食べない場合は“別メーカー”を試す
ぬるま湯でふやかして香りを立たせる

犬は「香りで食べ物を判断する」と言われるほど、嗅覚が食欲を大きく左右します。
療法食は一般食より香りが控えめなものも多いため、ぬるま湯(40℃前後)でふやかして香りを引き出すことで、一気に興味を持ってくれる犬が多いです。
また、冷めたご飯よりも暖かいご飯の方が胃腸への負担が少なく、最後まで食べ切ってくれる確率も高くなります。
- 香りが立ち、嗜好性が上がる
- 噛む力が弱いシニア犬でも食べやすくなる
- 胃腸が弱っているときでも負担をかけにくい

カレーの匂いで食欲が湧いてくるのと一緒だね!
少し温めて風味アップ(電子レンジ5〜10秒)

フードの温度を少し上げると、香り成分が強くなり、食欲を刺激します。
電子レンジで5〜10秒ほど温めるだけでも嗜好性がグッと上がるため、とても手軽に実践できる方法です。
- 香りが強まり興味を引きやすくなる
- 冷たいご飯を苦手とする犬の食いつきが改善しやすい
- ウェットタイプの療法食と特に相性抜群

熱すぎると火傷しちゃうから温度は必ず確認してね。
ウェットタイプや粒の大きさ違いを併用する
一番食いつきに影響するのが、“質感(ウェットかドライか)・粒の大きさ”です。
ドライだけではなかなか食べない犬でも、ウェットを少し混ぜると驚くほどスムーズに食べることがあります。

ドライのカリカリが苦手な子って意外と多いみたいだよ!
また、ご飯の粒の大きさによって食いつきが一気に変わることもあります。
同じような成分でも「小粒タイプ」や「大粒タイプ」が用意されている場合は、粒のサイズを変えてみるのも有効です。
- ウェットは香りが強く嗜好性が高い
- 水分量が多く、飲み込みやすい・消化しやすい
- 小粒や大粒など、粒のサイズを変えるだけで食べ始める犬も多い
療法食でも、メーカーごとに匂い・硬さ・質感が全く違います。
「質感を変える」という視点を取り入れることで、食べてくれる確率は大きく上がります。
少量のトッピングを使う
療法食に少量のトッピングを加えることで、「最初の一口」を誘発しやすくすることが可能です。
→ 食べ始めるきっかけを作ることで、嗜好性が上がりやすくなるからです。

トッピングをきっかけに、その後は療法食だけで食べてくれるようになった子も多いよ。
ただし、病気によってNGな食材もあるため、獣医さんに相談しながら使うのがおすすめです。
食器・食事環境を見直す
意外と見落としがちなのが、「食器」と「食事環境」です。
特にシニア犬・胃腸が弱い犬は、「食べにくい」だけで食欲が落ちる ことがあるため、実はとても重要なポイントなんですよ。
いつもの環境から少し工夫するだけで、食べてくれるようになることもあります。
特に見直して欲しいのは以下の4点です。
- 食器の高さを調整(高すぎても低すぎてもNG)
- 足場が滑らないようにマットを敷く
- 落ち着ける場所で食べる
- 他の犬が視界に入らないようにする
私たち人間でも体調が悪いときは、
- 座るのが辛い
- 椅子・机の高さが合わない
- 匂いが気になる
だけで、食欲が一気に落ちてしまうことがありますよね。
犬も同じで、環境が変わるだけで食べるようになることも多いです。
新しいフード袋を開ける・鮮度管理を徹底する
療法食は油脂を含むため、空気や光に触れることで徐々に酸化し、香りが飛んでしまいます。
古くなったフードは匂いが弱くなり、犬が「いつもと違う」と警戒して食べなくなる原因にもなりがちです。
通常のドッグフードと同じ感覚で保存するのではなく、「鮮度の管理」も意識してみましょう。
- 小分けサイズを選ぶ
- 光と空気を遮断できる保存容器に移す
- 開封後はできれば1ヶ月以内を目安に使い切る
香りが弱くなる → 犬は「いつもと違う」と警戒
→ 食べない原因の一つになりやすい
保存方法を見直すだけで、こうした悪循環を断ち切れることがあります。
ゆっくり切り替える(平均7日ほどかけて慣らす)

画像引用:ロイヤルカナンペッツホームデリバリー
療法食を切り替える段階での失敗事例はかなり多いため、「切り替え方」は特に重要なポイント。
基本は「ゆっくり・少しずつ」がスタンダードです。
シニア犬・胃腸が弱い犬は特に慎重に時間をかけて切り替えを行い、食べない日が続く場合は無理に進めず、必ず前の段階に戻して様子を見るようにしましょう。
また、混ぜるときは香りが均等になるようにしっかり混ぜると拒否されにくいです。

匂いに統一感が出ると警戒されにくくなるよ!
「これはいつものご飯だ!」と安心しながら、少しずつ療法食の味に慣れていくため。
おすすめの切り替え方法をまとめたので、ぜひ無理のないペースで試してみてください。
※スプーンで統一した実践版
<1〜2日目:旧フード9杯 + 新フード1杯>
- 新しいフードの香りを少しだけ混ぜる段階。
- よく混ぜて香りの差を小さくするのがポイント。
<3〜4日目:旧フード8杯 + 新フード2杯>
- 新フードの量を少し増やす。
- 食いつき・便の状態を軽くチェックする。
<5〜6日目:旧フード5杯 + 新フード5杯(半分ずつ)>
- ここが“慣らしの中間地点”。
- 食べ残し・食べむらがある場合は1ステップ戻して様子を見る。
<7日目:旧フード2杯 + 新フード8杯>
- ほぼ新フードの割合に移行。
- この段階で拒否したら、無理せず前のステップに戻すことが大切。
<8日目以降:新フードのみ(10杯)>
- 完全に切り替え完了。
- 吐き戻しや下痢が出た場合は、一度旧フードを少量戻すなど調整が必要。
どうしても食べない場合は“別の療法食”を試す
どれだけ愛犬に必要な成分・栄養素がたっぷり含まれた療法食でも、メーカーによって感触など様々な要素がかなり異なります。
- 香り
- 味
- 粒の硬さ
- ウェットの質感
ここまで紹介した方法を試しても効果や改善が得られない場合は、獣医さんに相談しながら他メーカーの療法食へ変更することも検討しましょう。
実際、「メーカーを変えた途端に食べてくれた」というケースは非常に多いです。
無理に一つの療法食にこだわり続けるのではなく、愛犬に合った選択肢を一緒に探していく、という考え方を大切にしましょう。
療法食はどれを選べばいい?食べやすい人気3ブランドをわかりやすく比較

「食いつきが良いタイプ」「ウェットの種類が豊富」「小粒で食べやすい」など、メーカーごとに得意としているポイントは少しずつ違います。
大切なのは、愛犬の好みや病気の種類、食べやすさなどを踏まえて「その子に合ったメーカー」を選ぶことです。
ここからは、療法食を扱う主要3社ロイヤルカナン・ヒルズ・ピュリナそれぞれの特徴をわかりやすく解説していきます。

療法食は獣医師の指示・指導のもとで活用しましょう!
あなたの愛犬に最適な療法食を選ぶヒントとして、ぜひ参考にしてください。
Royal Canin(ロイヤルカナン)の特徴・おすすめポイント・注意点
ロイヤルカナンは、療法食の中でも香りによる嗜好性の高さが特徴の一つです。
「今までのフードはしっかり食べていたのに、療法食になった途端に食べなくなった」という犬に対して、まず試されやすいブランドと言えます。
香りで興味を引きやすいため、「療法食を嫌がる子でも食べてくれた」という声が多く、とくに消化器や尿路ケアの商品はトップクラスの人気があります。
また、病気別のラインナップが非常に多く、
- 腎臓
- 尿路
- 消化器
- アレルギー
- 心臓
- 肝臓
など、ほぼすべての主要な疾患に対応した療法食がそろっており、「とりあえずロイヤルカナンで探してみる」という選び方ができる“王道ブランド”です。
ウェットタイプの種類も多めで、ドライフードが苦手な犬でも選択肢が取りやすい点も魅力と言えるでしょう。
- 嗜好性が高く、「食べない犬」にも試しやすい
- 尿路・消化器・アレルギー用などラインナップが業界最多
- ウェットタイプも比較的充実
- 動物病院での採用率が高い

ドッグフードとしてもロイヤルカナンは人気度が高いよ!
Hill’s Prescription Diet(ヒルズ)の特徴・おすすめポイント・注意点
ヒルズは、「医学的なエビデンスに基づいた療法食」として世界的に評価されているブランドです。
特に i/d(消化ケア)や k/d(腎臓ケア)は動物病院での採用率が高く、多くの獣医師が治療の一環として勧めています。
ヒルズの最大の特徴は、ウェットタイプのラインナップが非常に豊富な点であり、同じ病気向けでも「ドライは食べない…」という犬にとって非常に選びやすいメーカーです。
食べやすさは中間クラスで、ロイヤルカナンほど香りが強くなく、マイルドな印象となっています。
- ウェットタイプの種類が業界No.1
- i/d や k/d を中心に科学的裏付けが非常に強い
- 食事療法が初めての飼い主でも扱いやすい
- 病院・通販どちらでも入手しやすい

ドライのカリカリが苦手な子には、ヒルズがダントツでおすすめ!
Purina Pro Plan Veterinary Diets(ピュリナ)の特徴・おすすめポイント・注意点
ピュリナは粒が小さめ・柔らかめで食べやすいため、初めて療法食に切り替える犬や小型犬に特に人気が高いメーカーです。
嗜好性も高めで、「ロイカナは香りが強すぎる」「ヒルズは食べなかった」という犬がピュリナでは食べるケースも多く、“第3の選択肢” として非常に優秀といえます。
また価格が手頃でコスパが高いのも大きな魅力。
1kgあたり1800〜2600円と他社より続けやすい価格帯なので、長期的な療法食の利用を考える飼い主にも向いています。
Amazon・楽天・Yahoo など通販サイトでの取り扱いも豊富で、在庫を見つけやすくすぐ購入できる、という入手性の高さもメリットです。
- 小粒・柔らかめで「食べやすさ」を重視したい犬にぴったり
- 価格が比較的手頃で、長く続けやすいコスパの良さ
- 大手通販での取り扱いが多く購入しやすい
- HA(アレルギー対応)は特に人気

ピュリナは小粒で食べやすいから、療法食が初めての子にもぴったりだよ!
犬の療法食を成功させるための完全ガイドまとめ

療法食を食べてくれないとき、「好き嫌いなのかな?」「このまま続けて大丈夫だろうか…」と不安になるのは、飼い主としてごく自然な気持ちです。
ですが、犬が食べない背景には必ず理由があり、原因に合わせて対処することで改善できるケースは多くあります。
今回紹介した「まず試してほしい対処法8つ」は、どれも実践しやすく効果の高い方法です。
- ぬるま湯でふやかして香りを立たせる
- 少し温めて風味アップ(電子レンジ5〜10秒)
- ウェットタイプや粒の大きさ違いを併用する
- 少量のトッピングを使う
- 食器・食事環境を見直す
- 新しいフード袋を開ける・鮮度管理を徹底する
- ゆっくり切り替える(平均7日ほどかけて慣らす)
- どうしても食べない場合は“別メーカー”を試す
記事の中で紹介したメーカー比較も参考にしながら、「食べやすさ」「香り」「質感」「価格」「ウェットの有無」など、愛犬に合うポイントを探してみてください。
最終的に最も大切なのは、愛犬が無理なく食べ続けられる療法食に出会うことです。
もし今の療法食が合っていないと感じたら、獣医さんと相談しつつ、別メーカーの療法食を試してみることで、驚くほど改善するケースも多くあります。
あなたの愛犬にぴったりの療法食が見つかり、安心して毎日の食事を楽しめるようになることを願っています。



